ネットワークビジネス業界は新陳代謝の激しい業界として
知られています。
新しくMLM企業が生まれては消え、消えては生まれる、を繰り
返しています。
そのなかには首を傾げたくなるような企業も過去にはたくさん
出現したそうです。
そうした企業には、どんなマイナス要素があったのでしょうか?
悪徳マルチや悪質マルチなどの商法は論外としても、ネットワークビジネスに取り
組んだ企業経営者の方たちすべてがいい加減であったわけではないと思います。
まじめに取り組んだ経営者も大勢いたようです。
にもかかわらず、あえなく敗退していかざるを得なかった主宰企業に
共通するのは、理念、哲学の欠如といってもよいでしょう。
消費者に商品を直接販売することを目的とするMLM流通ビジネス（ダイレクト・セリング）
の特徴は次の三点に集約されます。
①消費者に在宅のまま購買できる利便性や対面による
説明販売などのメリットを提供すること。
②ユニークで革新的な商品またはサービスを持つ中小企業などに
多額の広告宣伝費用が不要な販路を提供すること。
③個人事業の希望者や家計収入を補う程度の働き場を求めている
人に、就労の機会を提供すること。
以上は日本におけるネットワークビジネスの大手企業とシンクタンクの日本総合研究所がこのビジネスを共同研究するために発足させた「ネットワークマーケティング研究会」が作成した「ビジネス憲章」からの引用
マルチ商法やネズミ講と一緒くたにされ、悪徳商法のレッテルを張られたMLMですが
MLM（マルチレベル・マーケティング）もネットワークビジネスと呼称を変更してから、
時代の変化も手伝って、流通ビジネスの一角を占める一大勢力になりました。
最近は名の知れた一流企業もこのビジネスに関心を抱き、新規参入を模索
しているところが多いようです。
そのような時代に「商品が売れるから」という理由だけで、この業界に
安易に参入しても成功はおぼつかないのは当然でしょう。
何より求められるのは、ネットワークビジネスという仕組みを採用する必然性
と経営者の志の高さなのです。
ネットワークビジネスに詳しい経営者によれば、このビジネスには三つの
大きな落とし穴があるそうです。
第一の落とし穴は「一攫千金を夢見てしまうこと」です。
確かにネットワークビジネスは通常のビジネスの何十倍の伝播力を持ち
クチコミの威力であっという間に大きな勢力になります。
だから経営者は目先の儲けを目指して、長続きするシステム、このビジネスに携わる
人の為になる仕組みづくりを怠ってしまうようです。
短期間に稼いでさっと引き上げれば……という発想になり安いようです。
そういう考えで始めたところはいずれも長続きしなし、逆に問題を発生させて
ネットワークビジネスの悪いイメージを残してしまことになるようです。
また、過去にはそういう志の低い経営者の多かったことが、このビジネスの
良いところ、真実の理解を遅らせているといえるのではないでしょうか。
第二の落とし穴は組織体制の不備があげられます。
要するにネットワークビジネスじたいを甘く見てしまうようです。
皮肉なことにネットワークビジネスの口コミの普及力のすごさが裏目になり
「始めてみればなんとかなる」と軽い気持ちで始めると、普及スピードについ
ていけないで商品供給などのトラブルになり信頼を失うことになります。
発受注業務や配送といった基本的な部分で対応できなくなるケースも過去に
たくさんそういう会社もありました。
特にボーナス計算は参加者にとって一番の関心事であるだけに、この点の不備は
致命的です。
第三の落とし穴は初動で成功した場合に起きます。
ネットワークビジネスで一定の成功を収めると、当然、競争相手が現われます。
ところがネットワークビジネスの場合、この競争相手との戦いと劇的に決着
がつくようです。
これまで順調に伸びていた企業の売上げが、地滑り的といっていい激しさで
落ち込んでしまうのです。
伸びるのも急激だが組織が崩壊するのも急激です。
この罠にはまった経営者が敗退していくわけですが、そうしたケースはきわめて多いようです。
これらの落とし穴にはまる最大の要因は、経営理念の欠如、すなわち志の低さです。
ネットワークビジネスにこれから参加しようと思う人も、そして主宰企業を
立ち上げようと思う人も、このビジネス手法が
「消費者による消費者のための商法」であることを強く念頭に
「より良いものをより安く継続して供給する」という使命感をもって望む心構えがとても重要です。
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