今日はネットワークビジネスのどこが問題なのかを、真剣に考えて見ましょう。
目次
ネットワークビジネスの問題点が指摘される背景
一般のどんなビジネス方式にも良い点もあれば悪い点もある。
だが、ネットワークビジネスに限っては、常に「違法ではないか」といった
言い方が今だにされている。
その理由は、ピラミッド商法との類似性があるからだと思う。
そして、ネットワークビジネスと違法なピラミッド商法との違いを明確に
答えられる人は数少ないでしょう。
ネットワークビジネスは、わが国では法的には「連鎖販売取引」という名で呼ばれる。

連鎖販売取引とは、
「商品の購入者を販売員として組織化し、実績に
応じて報酬を支払う販売形態」のことである。
連鎖販売取引は、特定商取引法(旧訪販法)の枠内でビジネスをすすめる限りは、
れっきとした合法ビジネス形態であるが、特定商取引法(旧訪販法)で違法と
されるピラミッド商法や対外上はネットワークビジネス真の形態を取りながら
も実質的にはピラミッド商法を行なう企業が、過去にいろいろトラブルを起こ
した印象がいまだに拭えないために、同じように取引が連鎖する
形態のネットワークビジネスも、多くの人々から好ましくない商法と
受けとめられているのである。
つまり、過去のトラプルがいまだに尾を引いていることになるが、もう一つ無視
できないのは、ネットワークビジネス自身がその仕組みから発生する固有の
問題点があることも事実だ。
そのことを理解するためには、ネットワークビジネスの基本的な仕組み
を知っておく必要がある。
それは、ネットワークビジネスを特徴づける仕組みの一つは
「ディストリビューター」の存在である。
ディストリビューターには大きく分けて次の三つの類型がある。
①愛用者としてのディストリビューター
②職業者としてのディストリビューター
③サイドビジネスとしてのディストリビューター
①愛用者としてのディストリビューター
ネットワークビジネスにおいては消費者=販売員になるのが特徴だが、ある主宰企業の
商品を買うためには必ずディストリピューター契約をする必要がある。
ディストリビューターの資格を得ると通常価格よりも安く商品を購入できる仕組みなのだ。
だから、積極的にビジネスをする気はないが、商品を安く購入したいために
ディストリビューターになって継続購入しょうとする者がいる。
この層が愛用者ディストリビューターであり、ディストリビューター全体の
約八割を占めるといわれている。
②職業者としてのディストリビューター
二番目の職業者としてのディストリビューターは、いうまでもなく
ネットワークビジネスの専従者である。
ネットワークビジネスは熱心に活動すれば、高額な収入を得ることができるが、
職業者としてのディストリビューターは、商品を活発に販売すると同時に、自分と
同じように能動的にこのビジネスに取り組む人を勧誘し、自己のグループを
形成していく。
この層がネットワークビジネスの販売活動を実質的に支えている。
③サイドビジネスとしてのディストリビューター
三番目にサイドビジネスとしてのディストリビューターだが、これはさまざまな
階層の人々が参加している。
別の仕事を持っていて休日とかアフター5にこの仕事に取り組むサラリーマンや
OLもいれば、家庭の主婦がパート感覚で参加するケースも少なくない。
また最近は定年で現役をリタイアした中高年層の参加も目立っている。
以上三つの類型のうち、①の愛用者ディストリビューターは、自家消費が中心で
後はせいぜい周辺の人に商品を売る程度だから、評判を悪くするようなことは、
ほとんどない。
会社によっては愛用者をメンバーとし、ディストリビューターは実績に応じて昇格させるシステムのところもある。
さて、問題なのは②と③のディストリビューターである。
②の場合は専従だから収入を増やすのに熱心である。
ディストリビューター制度は主宰企業によって仕組みが少しずつ異なっているが、
自己のグループの拡大を目指すことが収入増につながる点では共通している。
そのため中には無理をして成績を上げようとする者も出てくる。
また、この層にはピラミッド商法経験者が入ってくることもある。
ピラミッド商法の経験者は「商品の愛用者を地道に増やす」という
ネットワークビジネスの基本をないがしろにして、無理な勧誘や押し込み販売
などをする人が少なくないのである。
また、サイドビジネスとしてのディストリビューターにも活動に熱心な人がいるが、
そういう人のなかにもマナーの悪い人、モラルに欠けた人が存在する場合もある。
つまり、収入の増加を目指す人のなかに、ネットワークビジネスの基本的な
ルールから逸脱する人々がいるということだ。
しかし、一般のビジネスにもビジネスルールに違反する人間は存在するが、
そういう人間の行為が発覚した場合、まず当事者の行為そのものが非難される、
あるいはその人物が属する企業が批判されることがあっても、業界全体まで
不定的に見る人は少ないと思う。
ところがネットワークビジネスには、当初からマルチ商法=ネズミ講=悪徳商法の
イメージがつきまとっているため、一部の不心得者の行為が業界全体への批判に
なってしまいがちなのである。
それから主宰企業の態度にも問題がある。
ネットワークビジネスではディストリピューターの存在は独立事業者である
ディスストリビーターは主宰会社の社員ではない。
そのためディストリビューターの起こしたトラブルに対して
「当社とは関係ない」といった冷淡な態度をとる主宰会社もある。
このため被害を受けた人が国民生活センターや消費者センターに
駆け込む例が多く、悪いイメージを増幅させる結果になっている。
コメント